そもそも男性が勃起するのは、性的な興奮が脳から神経を通じペニスに勃起するように信号を送り、陰茎海綿体の動脈が大きく広がり十分な血液が流れるからです。
正常に勃起するには陰茎に流れる血流量が十分でなくてはいけなくて、海綿体はスポンジのように血液を吸い込んで溜め、膨張してペニスが硬くなります。勃起力が不十分な場合は、神経や血管の働きが正常ではないことから、十分な血流を海綿体に送り込むことができない状態になっているのです。
このように、勃起は海綿体に血液が流れることで起きますが、具体的には脳が性的刺激を感知すると、cGMPという物質が発生して陰茎の平滑筋がゆるむことにより海綿体に血液が流れ込み、勃起が起こるというメカニズムになっています。
ただし、cGMPはPDE5という酵素によって分解されて消えてしまいます。ED薬は、PDE5を阻害することでcGMPの量を増やし、海綿体への血流を増やして勃起を促すというメカニズムとなっているのです。
日本国内では主にバイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類のED薬が使用されていて、有効成分に違いがありますが、全てPDE5を阻害する効果によりペニスの血管を拡張し、海綿体への血流量を増やして勃起の補助をします。
海綿体に多く存在する酵素であるPDE5は、勃起に必要不可欠であり血管拡張物質であるサイクリックcGMPを分解する働きを持っているのです。
勘違いしている方も多いようなので説明させていただきますが、ED薬を服用するだけで自動的に勃起し続けるような状態にはなりません。脳が性的興奮となる刺激を受け取ったときに勃起を促し、持続させるように働きかけるのがED薬の役割です。
ED薬を服用して副作用が出る理由については、そもそもどんな薬にも副作用はありますし、副作用があるというのはきちんとした効果を得られるという証拠なのです。副作用があるからと過度な心配はしなくて大丈夫です。
ED薬は厚生労働省からも認可されていて、血管を広げて血流促進効果をもたらす安全性が高い薬です。
ED薬は全身の血管に影響をもたらすため、顔が火照ったり、頭痛が起きたりすることはよくあります。
ほかにもよく起きがちな副作用としては、めまい、消化不良、鼻閉などがありますが、これらはいずれも軽度で、ある程度の時間が過ぎると自然に良くなります。ただし、これらの症状が出て身体が辛いようなときには、無理をしないで行為を中断して休憩をとってください。
ごく稀ではありますが、突発性難聴や視覚症状などが副作用として出ることもあります。
突発性難聴は海外で起きた事例で、ED薬を服用して片耳や両耳が聞こえづらくなった人が複数確認されています。ただし、いずれもED薬との直接的な原因は解明されていません。
ED薬で血流が良くなって、目が充血したり目がかすんだりしたという事例も確認されています。症状が続くようなら眼科で診てもらいましょう。
ED薬を服用した後、勃起が長く継続して戻らなくなったという事例も確認されています。これは持続化勃起症という症状ですが、6時間以上勃起し続けると陰茎細胞を傷つけてしまう可能性があるので、そうなった場合は早めに泌尿器科を受診してください。
ED薬によるプラスの副作用も確認されています。
その一つが早漏改善です。ED薬には射精までの時間を長くして、早漏改善の効果が期待できるとされています。
ED薬はPDE5を阻害することにより、陰茎海綿体の動脈が大きく広がり十分な血液が流れ勃起をする補助をしてくれます。それにより、勃起時の硬度も高くなりやすく、これをメリットに思う方は大勢いるようです。